ファシリテーターのための傾聴ワークショップ 行ってきた
なにしてきたの?
ガオリュウさんの主催する、ファシリテーター系ワークショップはとても楽しくて、自分に足りない視点や思考の幅が得られる気がするので、可能な限り参加したいと思ってたりします。その中で、今回は『ファシリテーターの「場への視点、場の声の聞き方」を学ぶ』ということで、「傾聴」をテーマとしたワークショップだったので、めっちゃ楽しみにしてました!
毎回、ガオリュウさんのワークショップは、机や椅子のレイアウト、机の上にある備品などを工夫して、あらかじめ「場」が作られています。ちなみに今回の着席ネタは、好きな、食べたいパンがある席に座ってね、というもの。まんまと、「ランチパック ツナマヨ」に釣られてしまった…(;´Д`)
※現時点での自分は、思い通りに場を動かしたいマンなので、まだまだ偏った解釈などもあるかもしれないので、ツッコミ大歓迎ですw
やったこと
簡単な座学
ガオリュウさんのファシリテーション講座でおなじみの、ファシリテーターと場のお話し。 今回は傾聴に焦点を当てるので、この図で言うと、①見る、②フィードバック、③考える までが焦点。
ワークショップ
何かしらのテーマ対して、①話し手、②聴き手、③観察者、の三役に別れて話してみる。今回は3名x3グループで実施。話すテーマに関して今回は、Management3.0のメソッドの一つ、Moving Motivatorのカードを使って自分の大事にしている感覚などを話してみた。
3人で一巡した後、観察者役の人(=ファシリテーター役目線の人)は自分のグループを離れ、3グループを対象に会話をしている話し手と聞き手の2名に背を向け、話し手・聴き手の様子が見えない状態で、それぞれのグループが「何を話しているか」ということにフォーカスして観察した。続いて、観察者は各グループの周りを自由に動き周り、話し手・聴き手の様子やしゃべり方など「その場の様子」にフォーカスして観察した。前者の傾聴をコンテンツ中心、後者のそれをプロセス中心と区別し、観察者の立ち位置やその瞬間に重視すること・方法が二種類あり、場を観察しながら自身の思っていることをセルフモニタリングしながら、ファシリテーションに繋げることを体感した。
ふりかえり
毎回ワークショップが終わったあとに、学びほぐしの時間が取られており、急いで帰る必要がない人は、自分で今日の学びを振り返ったり、ガオリュウさんに質問したりする時間が取られている。それが一方的ではなく、しっかりと対話になっているのが非常に学びになる。自分が考えていること、そのコンテキストにおける理解をワークショップの開催意図とぶつけて話したり、など。
このワークショップについて
ファシリテーションの「場」そのものを理解していない場合、あるいは「傾聴」そのものがわからない場合、ワークショップの参加者が「?」ってなるよね?と言う話になった。
聴き手と観察者の違い
一般的な意味での傾聴は、話し手が言いたいことに対してじっくりと言える状態を作り、聴き手がじっくりと聞くと言うことを意味する。聴き手は、会話の内容やその背景を識ろうと思うという意識が強い。一方、観察者は俯瞰してその場、話し手の表情や仕草、聴き手の態度や相づちなどを見て、文字通りその場を観察している。
学んだこと
二種類の「考える」について
- ③の考える:場をいろんな角度から観察し、どういう状況かを把握、理解する
- ④の考える:その状況をどのように扱えばいいか、自分の知識や経験を元に導き出す
ある場を見る際、この両者の違いが理解できないと、もしくはどちらか一方だけになってしまうと、場を良くするためのファリシテーションにはならない。 たとえば、③の方を怠ると、例えばよく話す人、声が大きい人などに意識が向きがちで、本当にその場で捉えるべき状況を見逃してしまう可能性がある。一方、④が偏ってしまうと、数少ない自分の成功体験や、本で読んだ話などを鵜呑みにして、自分の思想に偏って場を操作してしまう恐れがある。
場を作る事について
ファシリテーターとしてあるべき姿は場を操作することではなく、場の参加者が自らの考えを出し合って場を動かし、先に進めていくことなので、状況をみて場が温まっていないのであれば気づきを与える助け船を出して温度を調節したり、話されているコンテンツの濃度が濃くなりすぎた場合は、違う視点での考えを投入して視野を広げてみたりすることが求められていると感じた。
ファシリテーションを行って場を作っていくことに対して、どんな価値観をもって接しているか、を自分でちゃんと理解しておくことが重要。その場をの議論をもっと活発にしてメンバーが動けるようにしたり、チームの価値観を構築したいのか、それとも(成熟したチームであれば)議論されているコンテンツをとことん深めて、問題解決に対して正しいゴールを見つけていきたいのか。
「傾聴」という言葉にも、二種類の見方がある
- ファシリテーターの傾聴:プロセス中心
- 一般的な姿勢の傾聴:コンテンツ中心
一般的に傾聴といえば、その字の如く、話し手の話すことに対して集中して聴くことを差す。 しかし、主に第三者として、俯瞰した当事者として考えた際、ファシリテーションのコンテキストでは、話題(コンテンツ)そのものを理解することに限らず、話しているときの話し手の気持ちや状態などをしっかりと観察する(プロセスを見る)ことも重要である。
(今回のワークショップの内容には直接関係ないものの…)自分が再認識したのは、聴覚過敏的な症状。3つのグループで話していることを同時に聞き分け、ワードを拾うようなことをしようにも、特定の声や話題、単語が気になって他が頭に入らない。これは今までも自覚していたことだが、やはりツラいな、と感じた。これはトレーニングで良くなるものなのだろうか…。
知らなかったこと
実際にアジャイルチームを対象にやられていると言う話を聞いた。これ、アジャイルサムライに載ってたんですって。昔は同僚に借りて読んでたので、改めてKindle版買い直してみよう…。
- 作者: Jonathan Rasmusson,西村直人,角谷信太郎,近藤修平,角掛拓未
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- 発売日: 2011/07/16
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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どうでもいい話、2012年頃から携わっていた某プロジェクトが世間的に見てもボチボチ成功したのは、アジャイルサムライを読んで、インセプションデッキつくったり、なんちゃってアジャイルを実践できたから、と自負しているが、それはまた別の話…。
ではまた。