Regional Scrum Gathering Tokyo 2021に参加してきた話

初参加した去年に引き続き、今年もRSGT(Regional Scrum Gathering Tokyo) 2021に参加してきました。

2021.scrumgatheringtokyo.org

言わずもがなこの社会情勢なので、オンサイト・オンラインを交えたハイブリット開催となり、自分は初日だけ現地で参加、素敵なノベリティを戴いたりしつつも、オンライン参加も体験したいというのと、初日に都内で1500人を超える感染者が出たり、非常事態宣言が発令されるとのこともあったので、二日目以降はリモート参戦としました。

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とても素敵なノベリティの品々。トートの小袋、最初はネームストラップとか入ってましたが、実は本体を格納してコンパクトに持ち運べるなど!

そういえば、去年のDay3のブログ、書くつもりだったけど書いてなかったな、どころかその後の記事が全く続かなかったな、というのが、ある意味今年のRSGTに繋がってて、個人的には発見がありました。それは後述。

ちなみに、ここ1〜2年ぐらい、いわゆるカンファレンス系ではノートPCではなく、iPadで手書きメモをとるようにして参加してたんですが、Zoomのセッションをオンラインでの聴講スタイルを見つけたりもして、こちらもすごい学びになりました。

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画面の手前にiPadを置き、メモを取りながらのオンライン参加。

手書きメモアプリはGoodNotesを使っているんですが、これのMac版とiPad版の同期が10〜20秒ぐらいで行われることに気づき、Zoomのスライドのスクショを撮り、それをMac版のページにドロップし、その絵が入ってくるだろう脇にあらかじめ手書きでメモを書いてマージされていく、みたいな。これはすごい体験でした。

GoodNotes 5

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また、今回はどうしても苦手意識があった、イベントにおけるDiscord併用の文化に馴染む、という裏目標もありました。ちなみに、過去にはTwitter実況についてもアレルギーがあったりしたんですが、Discordに関しては、割と根深くコミュ障だと自認している自分が新しいコミュニティに入っていくのが怖い、と言う恐怖心から来ていたんだと思いますw

今回のRSGTで得たこと、感じたこと

よく、点と点が線で繋がる、みたいな話がありますが、今回のRGSTを通じて感じたのは、一次元から二次元に拡がった感じで、それぞれの点が円として大きくなってそれぞれ重なっていった、と いうのが大枠としての感想。それについて色々綴っていこうと思います。

f:id:daidai7:20210111232200g:plainじゃなくてf:id:daidai7:20210111232203g:plainな感じ。

この感覚、わかりますかね…?w

現在地を知る(自分の現状)

そもそも自分は認定スクラムマスター(CSM)の資格を持っているにもかかわらず、いままで一度たりともスクラムチームを回したことも、携わったこともなく。強いて言えば、去年ジョインした環境で一つのプロダクトが何年かにわたってスクラム開発をしている、ということぐらい。マネージャーとして、そのチームに間接的に関わっているけど、直接セレモニーに参加することはなく、こうしてみては?みたいな話をする程度。

というわけで、去年も今年も、RSGTに参加するにあたり「スクラムによるプロダクト開発経験がないこと」というのがものすごく負い目だったんですが、今回参加して霧が一気に晴れた感じ。そう、原則とかルールではなく、直感として自分がどうやってプロダクトや組織に関わっていきたいか、というマインドだけでも十分スクラムを学ぶ意味がある、と気づかされたのでした。しかも一発目のきょんさんのセッションで。

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これ、パタンとかにも通ずることかもしれませんが、カタチから入っていって自己流で見よう見まねでやる、ということではなく、あくまで自分の直感を経験として秩序立てて積み上げていったら、原則とかルールになったよ、みたいな捉え方。別にスクラムのマインドに共感して学びを深めていくんでもいいじゃん、と。これはメチャクチャ大事だな、と思いました。

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では、なんで自分はCSM受けさせてもらったんだっけ?って思い返したときに、前職でもスクラム開発はしてなかったし、なんなら入れられそうなフェーズのプロジェクトもしばらく出てこなさそうな中、いわゆる横断組織を作ろうとして色々と藻掻き、自己組織化したチームがつくりたいと思っていろいろ勉強したり、外の会社の事情とか知りたいなと思って色々とコミュニティに参加しているうちに、スクラムマスター的な視点が組織開発にきっと役に立つはず、と思ってお願いしたのでした。

先述の図の中央にある「客観と主観 → 深い共感」は、野中先生のキーノートでも出てきた、個人の主観(一人称)と組織での客観(三人称)を、対面で共創する相互主観(二人称の共感)にも繋がって、ああなるほど、と腑に落ちました。

場の個の話

今回むちゃくちゃ面白い気づきがあったのが、椎葉さんのセッション

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楽天でなぜ社内公用語を英語にしているのか?単に三木谷さんがカッコイイとおもったからじゃね?とかって思ってる人は少なくないと思いますがw、そこにある背景をちゃんと理解すると、すごい理にかなっている方針だな、と思いました。

これも、そもそもスクラムという言葉が日本発なのに、アメリカで広まって逆輸入されてきているということにも繋がっていて、最初はなんでだろうなぁ?ぐらいにしか思っていなかったんですが、セッション中に、日本社会における「場」に気を遣う世界と、欧米社会の「個」を重んじる世界という対比がムチャクチャ面白かったです。

さらにそれが平鍋さんのセッションで話されていた、Spotifyモデルの話に繋がって、ああ、安直に原則だけパクって実践しても本質を突いていないから、そりゃうまくいかないよね、という話。

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今回の平鍋さんのセッションは、野中先生のキーノートの予習となるような内容だったけど、ライブで聞けず、結果的に復習として録画でみたのだけど、フロネティック・リーダーの資質で「場」を作るという話が出てきて、これはそもそも、欧米の「個」の世界観に「場」を作ることができることが重要だった、みたいな流れなんだな、というのをツイートしてたら、平鍋さんにリプもらって小躍りするなどw

ちゃんと共感を得た感じで嬉しかったです。

物事の本質を考える

自分は「本質」という言葉が好きで、というか、偏屈な人間なので、なにかをやろうとしたときに本質が腑に落ちないと本当に腰が重いという面倒臭いヤツだと自覚しています。たとえば仕事で作らなければいけない資料だったり、なにか新しいルールが導入されそうなことに対しても、それってやる意味あるの?みたいなことを考えちゃって初動が遅れちゃうタイプ。これがちゃんと言い出せればまだいいんですが、内に秘めてしまってやる気無さそうなやつ、みたいな印象を与えてきたことも多かったんじゃないかな、と。なので、自分がなにか始めようとした時ぐらいは、Whyを徹底的に考えたいな、と思うようになりました。

一方で思いついたことをアレコレ言いまくるせいで、なにも考えていない、場当たり的な考えをしているなという印象もあるかもしれません。でも、自分の中には、いろいろな暗黙知があるつもりで、その中にある軸をぶらさずに(…と本人が勝手に思ってる)考えを展開してきたんだな、と言うことが認識でき、そりゃうまく伝わることすくないや、という気づきも。

そういう意味では、過去一番成功したプロダクトをやってた時は、共感ベースで殴り合う相手と一緒にやれていたラッキーがあったから、という側面が大きかったんだろうなと。たしかにあのときのコアメンバーは、お互いにアイツの言ってること意味ワカンネーと言いつつも、自分はこう思うんだけど、と言うカタチを見せ合うことで、一緒の方向に向かっている、というのを常に確認するような進め方ができていたな、と。今更ながらちゃんと腹落ちしました。

ギャザリングなんだっけ?

最初に書いたように、今回はオンサイト・オンラインでのハイブリッド開催でだったんですが、これは、コロナ禍で変化を求められたRSGTに至るまで全国のスクラム系コミュニティの集合知的なものもあり、ある意味ここまでハイブリッドネイティブなイベントに参加したのは、(もちろんコロナ禍になって以降)初めての経験で感動しました。

オンサイト・オンライン双方の参加者がリアルに対面でギャザリングするようなことはできませんでしたが、ただZoomで繋いでウェビナーをみる、ということではなくて、そこにはそれぞれのセッションを通じた「場」があり、会場から見ているような、外からも見ているような、めちゃ不思議な感覚。

Discordによるリアルタイムの感想戦も、Twitter実況や、Slack等での単一のタイムラインということではなく、映像やボイスなどのストリームに加えて、テキストストリームが融合することによって、時間軸の共有という体験を通じて、そこにみんなが繋がっているような錯覚を得られたのでした。

「練度」というワード

ハイブリッド開催、通常のセッションも、登壇者もオンサイトだったりオンラインだったり、はたまた両方混じってたり、三日目のOSTセッションなんて、Miroに200人強同時に入ってシステムの限界を超えたりしながらも、それでもその場できっちり対応しきっている様を見て、参加者の「練度」が高い、だなんてキーワードが聞こえてきて、確かにそれはイチ参加者の自分も凄く感じられて、こんなイベントなかなか珍しいな…と思いました。

ふと、あれこの参加者を一同に集めたらものすごい集団になるんじゃ?なんて思ったりもしましたが、結局2:6:2の法則とかになったりするのかなぁ…とか、実務領域はバラバラだなぁ…とか思っていたりしたんですが、これも野中先生から平鍋さんへの問いかけ、「会社は、組織図や取締役会にはなく、そこ・ここに起こる会話にある」なんて話を聞いて、そんな考えが吹き飛んでしまいました。ここにこうやって集まっているから素晴らしいし、その練度を見てて気持ちいいのだろうな、と。

結果的にギャザった

通常であれば初日の夕方にがっつり時間が取られているネットワーキングセッションが(今回は、Can Done Learn とシャレの効いたネーミングだったのに…)、オンライン参加者だったり、感染予防対策のためだったりで流れてしまったため、当初はギャザリング感が損なわれたか…と感じかけてたんですが、その裏番組である「とにかく知り合いを増やす会」のセッションでメチャ濃厚な時間を過ごすことができました。

とはいえ、その場で直接たくさんの人と繋がったわけではなく、たまたま一緒のテーブルになった、もともとの知り合いばかりのため(といいつつ、きょんさんと同グループというラッキーも重なり)、心理的安全性の高い位置から自己開示、というか、いまの自分の現在地と未来の位置を話すことができ、その結果より積極的になるというマインドの変化が起きたり、終了後にDiscordでいろんな人と繋がれた、というのが大きな収穫でした。

去年までであれば、最終日のクロージングの後、いわゆる地下の中華でやるような感想戦、クロージングキーノートの感動も醒めやらぬ間に、ボイスチャットによる感想戦。それも複数ルームあるので、OSTにおけるチョウチョとハチの如く、いろいろな話が折り重なってめちゃ面白かったなぁ、と。 あとは、なぜかAmongUsを三日目の夜に参加者でプレイするという時間があり、そこでも「場」のファシリテーションについての気づきを得て、以前遊んだ時に感じた違和感の検証もできたのが自分の中での大きな収穫。おもしろかったです。またやりたいなぁ。

あらためて、去年との違い

結果として今回のハイブリッド開催に自分が適応しようと思ったときに、自分の中でブレイクスルーが起きたんだとおもいますが、松浦さんのセッションでも取り上げられた、「他人と過去は変えられないが、自分と未来は変えられる」というエリック・バーンの言葉がメチャクチャ刺さったこともあり、これは大きな気づきになりました。

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それが、ちょっと関わる姿勢と意識を変えただけで、全てのセッションにおいて、全てが繋がっている様に感じはじめ、関連した気づきがひろがり、それを野中先生にクロージングしていただく、という夢のような3日間で締めくくられた感じでした。

あらためて去年の参加ブログを見返してみて、セッション、セッションをそれぞれ別にとらえていたこと、なにかしらアウトプットをしないといけない、という半分義務感に苛まれていたな、と実感。そのレポートもセッションのことを振り返って書く、ぐらいしかできていなくて、イベント全体を捉えてなにか、ということはあまりできていなかったと思います。(とはいえ、その観点で、こうやって書いてみたものを読み返すと、言いたかった事とかちゃんと書けてないな、とか、もっといろんなセッションで刺激受けてるのにな、とかって思ったりするんですが、暗黙知形式知化しきれていないところに関して、それは今後の伸びしろにというわけで、まずは変わってみるところから始めよう。)

今回の積ん読

ひたすら読みたい本が増えました。ひとまず、Kindleのサンプルにして落としておいて、読み進めていきたい所存…。どれから片付けようか…。

フッサール現象学についての話が出てきて、気になってたらマンガでわかる…的なわかりやすいものを教えて貰ったので、これはサクっと読んじゃおう。

現象学の理念

現象学の理念

NVC(非暴力コミュニケーション)については、コミュニケーション力を高めていくために、気になっていたんですが、OSTの時にちょっとしたワークをみて、一度ちゃんと見て置いた方がいいな、と思ったのでピックアップ。

OSTでの積読解消したいというセッションもあったけど、ryuzeeさんからこんな事も聞いたので少しずつ進めていこうと思います。

Kindleだと大事なところだけザッピングしながらひたすらマーキングしておいて、メモとハイライト機能を使って後から見返すということもできる、というのが物理本にない魅力。

さいごに

そして、今回なにより助かったのは、3日間のセッションのあとの三連休。しかもDiscordでずっとイベントが続いている感を感じられたりしたこと。たとえば参加者が見られるセッション録画を見返すにしても、そのURLがDiscordにあるので開こうとすると、#トイレだったり、#ふとん だったりに面白い発言が転がっているのきっかけてログを見返したりして。今回のRSGTで得たものを少しずつ消化して、自分ごととして理解できるような流れに繋がったんじゃないかと思いました。これ、ふりかえりもせずフラフラしてたら勿体なかったんだろうな、と。

マルチトラック開催なので、見られなかった気になるセッションがたくさんあって、録画を見返したいなと思うし、それらをみてちゃんと消化していかないといけないので、まだまだ自分の中でのRSGT2021は終わってないのでしたw

とはいえ、明日からは今まで通りといかないまでも日常の業務に戻ることだし、そもそもココで得た知識をしっかりと自分のものにしていかないと意味がないと思うので、これを一旦の区切りにしようと思います。

参加されたみなさん、スタッフの方々、お疲れ様でした!

来年こそソラシティでハイタッチができますように!

RemoとSpatial Chatで会議の場づくり体験

今週末の朝、連日ガオリュウさんオンラインミーティングを試してみよう会に参加して、いろいろとトライさせていただきました。

人間というのは贅沢なもので、緊急事態宣言で一斉リモート推奨になった時は、「Zoomで会議できればこれで事足りるんじゃない?」っていう気分になった気がしたけど、Zoom飲みとかもして、オンライン慣れしてくると、場にいるのが4〜5人を超えてきたあたりから、話がこんがらがって話す一人と、それを聴く人達になっちゃうのが、ある意味特徴。ウェビナーのような基本一方通行+たまに質疑応答ならいいけど、居酒屋で大きな飲み会をやってる時みたいにちょっと隣のテーブルは何をはなしてるのかな?っていうのが気になったり、話題が違うからこそ動き回って面白かったり、濃い話に繋がったり。

そういう課題のためのソリューションはきっと続々生み出されていくと思うんですが、土曜日は、かなりこなれてきている感のあるRemoにトライ。

www.youtube.com

Remoの会自体はほかでも何度か参加してみたり、先週金曜日に50人規模の勉強会にもお邪魔したけど、やっぱりまだ色々とこなれていない感はあり。元々ソコソコの月額費用が掛かるのに加え、ライセンスをケチると、オンライン会議で割と重要なホワイトボード機能(しかも超高性能の、Deskle(後述)がインテグレートされている)が使えなかったり、1ブースに集まれるのが4人まで(もっと課金すると6人まで増える)だったり。

もともと、ガオリュウさんが試したかったのが、セミナーというよりは、少人数の双方向ワークショップや、みんなが集まった状態でのファシリテーション手段の可能性を探ること。ブース毎に別の話題で盛り上がれるのはイイとしても、人数制限があるのと、その部屋でどんな会話がされているのかが外からまったく見えないこと。Adminだと部屋番号のテキストが振れるみたいだから、一時的なルームオペのヒトは部屋のお題とか一言コメントを外から見える形で置けるだけでも全然違ってくるような予感。

そして、今日試したのは、Spatial ChatMiroのコンビネーション。

これ、画面シェア機能をつかったり、YoutubeのURLで動画を共有したりして、複数人が集まって一緒に見る事が出来るサービス。デモページのTryMeに入ってみると、その時は丁度クラブ的な動画が複数貼られていて、動画の周りにいろんなヒトがたむろしていました。このサービスで一番面白いのが、自分の位置をうごかすことで、ヒトの声や画像までも、聞こえてくるボリュームが変わるということ。居酒屋とかで隣のテーブルの話題に耳がダンボになるような感覚が味わえるし、なんならカーソルをちょっとドラッグするだけでそっちの会話も聞けちゃう。これは凄いなぁ…。

このサービスを使って、ガオリュウさんが、ファリシテーショングラフィックのワークショップが出来ないか?といろいろと実験をお手伝いさせていただいたのが ↓のnoteに纏まっています。 note.com

今日試したのは、Spatial Chatのスペースに、あらかじめ受講者それぞれの模造紙としてMiroのページを作って画面が共有されており、参加者はPC側のブラウザで、その場全体を眺めつつ、iPadで入ったMiroの画面でドローイングしてワークショップを受ける、と。 今朝の試したお題はアナログ・リアルのファシグラ講座の現場でも一度体験したことがあるだけに、それがオンライン化したというのは、なんか衝撃的。一気に新しい体験になりました。

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もちろんレスポンスなど、まだまだ課題はあるものの、十分に可能性を感じました。(上記記事にやってる時の動画が貼られているので、見てみてください)

これ、普通にZoom飲みよりもSpatial Chatで飲んだほうが面白いのではないか?疑惑w ひとまずZoomの個人Proアカウントは1ヶ月で更新止めようw

さて、前述のDeskle。Miro と同じような、いわゆるWeb上のオンラインカンバンのようなものだけど、図を描いたり、繋いだり、画像を貼ったりはあたりまえ。アジャイル開発で使いそうなテンプレートよろしく、グループ開発で使うような色々なメソッドは色々とカバーされている感じ。Remoにインテグレートされているけど、もちろん単体サービスとしても十分使えそうだから、これはこれで使い込んで試してみたいかも??

www.youtube.com

Regional Scrum Gathering Tokyo 2020に初参加してきた話[Day2]

Day2

Day1からめっちゃ間が空いてしまいました。あの楽しかったRSGTもう2週間も前になるのか!

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藤村さんのしくじり先生

キーノート Lost in Translation: The Manager's Role in Agile

2日目のキーノートは、CAL(Certified Agile Leader)などのコーチを務める、Michael K Sahotaさん。 RSGT Day2の参戦記録を早く書きたかったんですが、実はこのキーノートの内容お咀嚼に時間が掛かってしまった感じです。

ざっくりの内容としては、初日のコープさんのキーノートにあった、「スクラムの究極系はマネージャーなんて要らないよね」という話に対して、自律組織はいわゆる理想郷でまだまだ道は遠く、いわゆるティールの世界に到達するまでには、まずはちゃんとヒトにフォーカスしてオレンジからグリーンの状態になる必要ってあるよね、と。

そこで取り上げられたXY理論の話も面白くて、ヒトは元来サボったり責任逃れをするのが好きで誰かにコントロールされることを要するという考え方のX理論と、仕事が好きで好きで自分のやりたい事にむかって何にでも興味を持って取り組んでいくY理論があり、マネージャーと呼ばれる層は、メンバーに対してはX理論だなと思うものの、自分自身のことはY理論に属するだろうという認知バイアスが働くことが多いよね、という話。

とはいえ、現場リーダー「だけ」が頑張って変わったところで、全部を変えることはできないので、そのためには、ある程度トップダウンによって組織ごと変わる必要があり、置いていかれがちなミドルマネジメント層においてもマインドセットを変えていって、組織みんなを変革に連れて行きましょうという話がとても印象的でした。

と、言う事ぐらいは、講演中に聞いてたメモをみても、RSGT2020ことを書いてるブログなどをみてもなんとなく書いてあるのだけど、イマイチ腹落ち、というか、正しく理解が出来ておらず悶々としてたので、サホタさんのブログを読んでみることに。 そこには、組織文化を変えていくにはまずリーダーが先に行き、リーダーシップが成長することで進められる、と。このあたりを頑張って理解すすめていくウチに、いろいろと内容が補完されてきてとても理解に繋がりました、とさ。

今回の講演内容には関係ないけど、先述のブログに出てきた、Spotifyのエンジニアリングカルチャーについてのビデオがメッチャ刺さったので載せておきます。もちろん、「そのまま」マネ出来るわけではない、というのは大前提としても、拾える部分はどこかあるよね、と。

vimeo.com vimeo.com

なにか少しでも実践出来るところ、とか見つけていきたいな、と思ったのでした。

ちなみに、タイトルである Lost in Translation は20年ほどまえに公開された東京が舞台のハリウッド映画からとったもの、だそう。

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日本にJoy,Inc.を創る!ぼくらのジョイインクジャーニー3年間の軌跡

クリエーションライン代表の安田 忠弘さんのセッション。会社を立ち上げて数年、会社として目先の利益や数字を追いかけていたら、しらずしらずのうちに会社の空気が重くなったり、プロジェクトが炎上したりして、安田さん的にどん底になってしまった2013年頃に、Joy,Inc.に出会って、それをきっかけに会社をどんどん良くしていく話でした。 あれ、Joy,Inc.が話題になったの割と最近じゃ?って思ったら、原著は2013年発刊なんですね。 「あなたは喜びに満ちた人生を送りたいですか?」と聞かれて、Noという人なんて少ないと思うけれど、Joy,Inc.の中にも「それは困難な旅の始まり」とあるように、文化を変えていくことは、困難で孤独で勇気が必要な大変な道のりであるけれど、いまの状況がよくないと感じるのであれば、一歩踏み出すことが必要なんだろうと思いました。

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

ジョイ・インク 役職も部署もない全員主役のマネジメント

Joy,Inc.といえば、いわきりさんのこのツイートにちょっと焦りを感じたり。

実際に経営層の方が、Joy,Inc.に感化されて会社を変えていく例はあまり多くないらしいそうですが、生き生きと仕事が出来るカルチャー醸成はしてみたいところですね。

そして、RSGT2018に、著者のリッチーさんのキーノートがあったのを機会に、もっと具体的に買えていくことになるんですが、スライドに出てきたHRTってなんだろ?と過去のブログを辿ってみると、Humility(謙虚)/Respect(尊敬)/Trust(信頼)の略だそうで、Team Geekにでてきたんですね。これはこちらもチェックしないと。

Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか

Team Geek ―Googleのギークたちはいかにしてチームを作るのか

このセッション、とても面白かったんですが20分枠で、もっと聞きたいな!って思ってたら、なんとロングバージョンがあるとのことで!気になる…。

スライド資料はこちら。

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組織変更をして部長がいなくなってから起きたこと

Cybozu水戸 将弥さんのセッション。興味深いのは、水戸さんがここでいう居なくなる側の存在だったって話。この話は、年末に公開された Fukabori.fm のエピソードでも語られていて、気になっていたのでした。

fukabori.fm

ざっくりとした内容としては、Cybozuではソフトウェアのクラウド化にともなって、開発スタイルもアジャイルに進めるようになってきた際、10年以上続いてきたマトリクス組織をチーム主体のフラットな組織に変えていった話で、その際、いわゆる「部」がなくなってしまったので部長という役職を無くしました、というお話。 目的はユーザー価値を最大化するため、チームに必要なことをチームが決められるように権限委譲をしたよ、っとさらりと語られていますが、これはかなり大変だったはず…。そこを職能横断のモブをやったり、他の職能に体験入部する仕組みを作ってみるなど、自己組織化していくのに、システム的にもいろいろと考えられたそうで。

で、かつての部長陣はその仕事を解かれてなにをしているの?という話は、組織運営チームを結成し、いわゆる横断的にチームやメンバーをサポートする立場にシフト。しかもマネージャー陣もチーム化することで、いわゆるマネジメントの孤独からも解放されたのだというから興味深いです。

いきなり組織が変わる、ということはむずかしいでしょうし、この規模の組織改革だと、かなりの痛みも伴ったでしょうが、これはまさにサホダさんのキーノートにあった、トップが変わることで組織を変える、を体現しているのではないでしょうか。

スライド資料はこちら。 speakerdeck.com

大企業の縦割り組織の中でProduct Discovery Teamを創ってサービスをリリース出来た話

半谷 充生さんは楽天仙台支社でEC関係をずっとやってこられた方。 余談ながら、楽天社員は推し店舗なるものがあるらしく、半谷さんの話されていた米屋はちょっと気になりましたw

今回のお話は、楽天市場での、店舗と顧客とのチャットシステムを作る際に、他支社もリモートで巻き込んでの大規模チームでの開発となったが、トヨタの主査を中心として複数のコンポーネントエキスパートチームでプロダクトを開発するスタイルや、いわゆるLeSS(Large Scaled Scrum)からヒントをもらって、One Teamとして進めていくことを試してみたとのこと。 OneTeam感って、いわずもがな大事な話ですが、困難に対して、どうしても相手組織を指して他責になりがちですが、課題をそれぞれの組織をまたいで自分達事にすることで、プロダクトに対する「愛」を育むチームにしたらうまく行ったよ、とのこと。ありきたりな感想ですが、やはり仕事に対して愛や情熱、信頼などがあることが大事なんだな、と再認識しました。

スライド資料はこちら。 speakerdeck.com

キャリアパス再考:開発者と働くQAテスターからチーム支援するスクラムマスターへ

CI&Tという、ブラジル創業の日本オフィスでQAエンジニアからスクラムマスターにステップアップした、中村 ありささんのお話。 テスターとしてキャリアをはじめたが、同社では、1人1人にコーチが付く制度があるらしく、メンターさんと相談して、スクラムマスターとして進んだとのこと。スクラムマスターの素養として、テスターの時と比較して、POやチーム、案件、プロジェクトの状況などいろいろと気を配らないといけないので、マルチタスク的な働き方を身につける必要があるためマインドセットを変えたり、情報の管理に関して気を配れるようになったとのこと。

完全に余談ですが、CI&Tのオフィス、錦糸町の駅前ってことでウチからめっちゃ近い…w

スライド資料はこちら。

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アジャイルな組織を作って行くには?地銀で取り組むアジャイルな組織作り

元ゲーム業界(DARTSLIVE)だった松崎 一孝さんが、地銀であるふくおかファイナンシャルグループに転職して、アジャイル開発に取り組む事になった話。

そもそも地銀が何故内製でシステム開発をすることになったのか?の背景や、とはいえ行内に開発経験者が十分にいたわけではないが、このご時世、銀行員の行内でのキャリアチェンジが迫られているという背景もあり、無理にでもチームビルドする必要が出てきたとのこと。松崎さんでさえWebの開発経験は初めてで、実装に関しては未経験者ばかりだったので、いろいろと学んで、スクラムチームを作ったり、ペアプロをしたり、CI入れたり、TDD/ATDDを取り入れたり…と、ゼロベースから開発チームを育てていく様が赤裸々に語られていました。

リーダーシップの使い分けの話で、「チームの意見を尊重すること ≠ チームに遠慮すること」と、「自律的なチーム ≠ 自立的なチーム」と、現状のチームの状況に合わせて、リーダーがどのように接すればいいかを使い分けることが必要というのは、サーバントリーダーというものを取り違えるとあり得る課題感だな、と思いました。

松崎さんの活動がとても精力的で、福岡でのスクラム勉強会のコミュニティをやられているそうです。

fukuoka-scrum.connpass.com

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10年たってやっとアジャイルがわかりかけてきた話

HoloLensなどの、いわゆるxR技術関連のプロダクトの開発を行っている、ホロラボ代表の中村 薫さんのセッション。メンバーがHoloLensを被ったアー写みたいなのがメッチャカッコよかったですw

自社サービスは、きちんと作ってきちんと売らないと会社が死ぬので、より真剣似考えることが必要だが、受託よりも自分達が自分達のビジネスに対して責任を持ってプロダクトを作れる状況において、アジャイル開発はより合っているとのこと。

スライド資料はこちら。

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最高のScrumをキメた後にスケールさせようとして混乱した(してる)話

今回参加されている多くの人が、おそらくRSGT2020のベストセッションの一つなんじゃ?と挙げるだろう、クラスメソッド藤村 新さんの講演。しくじり先生のフォーマットで藤村さんの取り組みとしくじり談が展開されましたが、本家番組よろしく、見てるだけでぐぐっと引き込まれる内容でした。 某外資系コーヒーチェーンのシステム開発を担当する際、スクラムマスターとして1つのスクラムチームを作ってうまくプロダクトをリリースできた、という話で、スクラムの文脈でいういつでもリリースできる状態を作るという観点から、開発前に決めた方がよかったことベスト3があったそうです。 一つ目の「明確なコンセプト」に関しては、当たり前だろう…と思うかもしれませんが、自分の観測範囲でも結構コレがブレてて苦労してるプロジェクトがたくさんあるような気がします。インセプションデッキにおけるエレベーターピッチ的なもの、ほんと大事ですよね。 二つ目の「3つのフェーズ」に関しては、プロダクトを、「実用最小限の機能をもつMVP」、「リリースするのに普通作るでしょ、というMUST」、「リリース前に整えておく、ADDITIONAL」の3つの段階に分けて実装し、MVPフェーズでちゃんと背骨を作ってどんどん肉付けして行くというやり方。背骨駆動開発、みたいな言われ方もしますが、これも出来るようで、外圧などによりなかなか実践できないことかも。 三つ目の「デザイン先行FIX」に関しては、アジャイルでありがちな、デザインは固めないというアンチパターンを避け、ちゃんと都度リリース出来るデザインをFIXさせることを重要視したという話。これも…(ry

ここまでだと、とても良い話ですが、後半がしくじり話。 先の話の成功から、クライアントから他の2チームにもスクラムのやりかたでスケールして欲しいというオーダーが。まずは成功しているチームと別チームとを混ぜて、成功体験を共有してからチームを分割し本格的に拡げようとしたが、一瞬でチームが崩壊してしまい失敗したという話。このときの問題は、チームが大きすぎた、コミュニケーションパスが爆増した、PO間での意思決定が難航した、またそれにより悪い印象が付きすぎた、という最悪な状態へ。 その時の一番の問題は、SMである藤村さんの目線の問題。スケールさせる際に、チーム目線でなく組織目線で考えてしまって雑につっくつけたこと。スモールチームで成功したという前提を軽視したこと、だそう。 ではどうすれば良かったか。優れたスモールチームをたくさん育てる、が正しいステップで、よく自己組織化されたチーム同士は、ヘンにスケール手法を押しつけなくとも、自然に連携して進めることが出来ること。そのためにはチーム目線をしっかりと持って育てていくことが重要だと。このあたりは組織マネジメントの観点でもやりがちなので、注意しなきゃな、と感じました。 ちなみに、スクラムのスケール手法は、ここではScrum of Scrumsが取り上げられたが、知識が少なめな自分は、LeSSが一般的なのかな?って思ったんですが、SAFeなるものがあるんですね。シェア3割なんですって…。 でも、こう言う記事もあり、確かにスクラムの文化が根付くまえにうっかり導入すると地獄絵図しか見えないんだろうな…と。Scrum@Scaleの記事でも、まずは「良いチームを2つ育てる」ありきなんだな、というのがスケーリングに関しての学びでした。

スライド資料はこちら。

www.slideshare.net

Day2のネットワーキング

この日は残念ながら、仕事のために終了後にすぐ離脱。 Twitterなどを見ていると、地下の中華屋が盛り上がっていたようなのでとても残念…。

Regional Scrum Gathering Tokyo 2020に初参加してきた話[Day1]

Day1

RSGTに関しては、毎年なんとなくその存在を知ってて、アジャイル開発には昔から興味があるものの、スクラムも別にやっていないし、自分には関係無いよね、と思って食わず嫌い(?)だったのですが、去年の11月に Certified ScrumMasterの研修を受けて資格を得たのもあり、飛び込んでみようと思ってチケット争奪戦に参加し、今回初参戦を果たしました。(CSM研修の中身もブログ書こうと思って、ずっとサボっていたけど、ココで宣言しておけばそのうちまとめる…かな?)

結果として、いままで参加したどんなイベントよりも熱意があり、その「場」を楽しむことができたので、ブログとしてアウトプットしてみようと思ったんですが、一気に振り返ろうと思ったけど、1日目だけでもかなりの量になったので、3日間別記事として書くことにしました。

キーノート The Ten Bulls of the Scrum Patterns

最初のセッションは、A Scrum Book の発起人でもあるJim Coplien(コープ)さんのキーノート。 開始前にMCの川口さんが、コープさんは急遽来られなくなりました、の仕込みからの、浪人姿で現れ、「誰か、酒をくれませんか?」で本当に飲んでからスタートしてビックリw その姿が禅の十牛図の最終段階を体現するコスプレだったという凄い仕込みでした…。

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Do you have SAKE? なコープさん

禅における十牛図、以前にどこかで聞いた事あるな?と思ったんですが、Wikipediaから転記すると 悟りにいたる10段階を10枚の図と詩で表したもので、「真の自己」が牛の姿で表されているもので、牛を求めるの牧者は、仏の道を究めようとして迷いの世界に入りもがき苦しんでいる現在の自己のことを指すらしいです。 それぞれのステップは以下の通り。

  1. 尋牛 - 仏性の象徴である牛を見つけようと発心したが、牛は見つからないという状況。人には仏性が本来備わっているが、人はそれを忘れ、分別の世界に陥って仏性から遠ざかる
  2. 見跡 - 経や教えによって仏性を求めようとするが、分別の世界からはまだ逃れられない。
  3. 見牛 - 行においてその牛を身上に実地に見た境位。
  4. 得牛 - 牛を捉まえたとしても、それを飼いならすのは難しく、時には姿をくらます。
  5. 牧牛 - 本性を得たならばそこから真実の世界が広がるので、捉まえた牛を放さぬように押さえておくことが必要。慣れてくれば牛は素直に従うようにもなる。
  6. 騎牛帰家 - 心の平安が得られれば、牛飼いと牛は一体となり、牛を御する必要もない。
  7. 忘牛存人 - 家に戻ってくれば、牛を捉まえてきたことを忘れ、牛も忘れる。
  8. 人牛倶忘 - 牛を捉まえようとした理由を忘れ、捉まえた牛を忘れ、捉まえたことも忘れる。忘れるということもなくなる世界。
  9. 返本還源 - 何もない清浄無垢の世界からは、ありのままの世界が目に入る。
  10. 入鄽垂手 - 悟りを開いたとしても、そこに止まっていては無益。再び世俗の世界に入り、人々に安らぎを与え、悟りへ導く必要がある。

コープさんは、コレを、スクラムの道を探求する我々に例えて、みんなが悟りを開いている状態である、という話をされました。 十牛図のステップでいうと、「見跡」の段階で我々はスクラムに出会い、「得牛」の段階でいろんなパターンやモデルを学びつつもモヤり、「騎牛帰家」の段階で自分自身のモノとして得たパターンに誇りを持ち、「人牛倶忘」の段階でパターンなどなく、その場にあるものが真実だと悟り、「入鄽垂手」の段階で自分が高みになるのではなく場に降りて一緒につくっていくことだと気づくという感じ。 今みんないろんなステップにいる。迷っているとしても、いまいる位置をちゃんと理解することが重要で、迷ったらWhyを追求し、自分の真の姿に反映する「無名の質」を手にいれて、スクラムの心は特に意識せずとも使えるようになるべし。十牛図は改善の道。スクラム組織は生きもので、必ずの正解があるわけではなく、失敗を認め、それを現場環境に合わせて改善していくもの。「反省なくして改善なし」。といった感じでしょうか。

キーノートからグサグサ刺さる内容だったのでRGSTすげーな、と思うスタートでした。 めちゃイイ内容だったのですが、スライド公開されるもの、と思っていたので断片的にしかスライドを写真に収められていなくて残念…。どなたか、最後の「入鄽垂手」のスライド写真、分けてくださいw

A Srcum Bookはこちら。日本語化される予定はあるんでしょうか…??

アジャイルコーチ活用術

Ryuzeeさんこと、アトラクタの吉羽 龍太郎さんによる、外部のアジャイルコーチを使ってみたい?と思ったときに考えることのセッション。

ここでいうアジャイルコーチの役割は、ティーチング・コーチングを駆使して、「他人から押しつけられるアジャイルの行動規範に依存しない、自分たちで考えることのできる、生産的なアジャイルチームを育てる」こと。 1on1の勉強会とかでも良く出てくる、ティーチングとコーチングに関しては、前者が「(だいたい)一方通行の指導活動」に対して、後者は「双方向の育成活動」。どちらかが正解というわけではなく、現場の状況に応じて使い分けることが必要。

アジャイルコーチは銀の弾丸ではなく、自分達がコーチを依頼するときに、「何を」「どのように」依頼するか、導入する組織の中で意識と優先順序を揃えて「期待値」を設定することが大事。 予算ありきで導入しようとすると、短期間な導入になったり、薄っぺらい内容になったりで、中途半端な成果しか得られないことが考えられ、いわゆるプラクティスだけを実践していると、いざ自分達で考えて動こうとしても動けなくなるだというとのこと。 単価が安かったり、フルタイム稼働を提唱するコーチ、コーチ自らが他の現場や、学びの場を巡っていたりなどのインプットを怠っているコーチに関しては、要注意とのこと。

コーチは、チームのキャパシティを増やすのではなく、ケイパビリティを拡げてくれる存在であるべし、と。また、評価に関しても定量的には測れず、チームの状態を定性的に見て測ることが必要で、解決したい課題や、導入したいチームとコーチのスキルやキャラクターの愛称も大事なので、何人かと会ってみては?と。 ウチの現場では、スクラムはもとよりアジャイルな考え方がぜんぜん浸透していないので、本格的になにかをはじめるときはアジャイルコーチが必要だな、と感じていたのでとてもタメになるセッションでした。

スライド資料はこちら。 slide.meguro.ryuzee.com

みなさんのプロタクトバックログアイテムはOutcomeを生み出していますか?

ギルドワークスの中村 洋さんのセッション。 プロダクトバックログアイテム(PBI)に対する、OutputとOutcomeとは違う。たとえば、Outputは「作った機能」、Outcomeは「利用者がどう変わったか、幸せになったか?」というもの。ただ、それらは対立構造ではなく、両方ともフォーカスすることが必要で、片側だけ意識しても無意味。ただ、実際の現場では、Outputのみを評価される状況があったりもするので、ビジネスの価値を計るという意味でOutcomeにもフォーカスを当てるということが大事ですよ、というお話でした。

実際の事例では、まさにOutput偏重に場で、Outputの量やコストについて議論していてイマイチうまく行っていない現場が、Outputからの脱却ということで、PBIの価値としてダイヤという概念を付け加えて、よりOutcomeを出せるようなPBIにすることで、仮にOutputの量が減ったとしても、Outcomeが増えるのであれば、むしろそちらのほうが価値は高い、と言う考え方の話がありました。このダイヤとストーリーポイントがわかることで、それぞれのPBIにおけるROIが判りやすくなり、より納得感のあるPBIの優先順位付けができるようになったとのこと。その時の詳細に関してはこちらで詳しく書かれているようです。

計測の価値として、インパクトトラッカーを作ってみるというのもあり。非常にわかりやすい指標だと思いました。

  1. 名称:何と呼ぼう
  2. 利益:どんな価値を届けよう
  3. 計測:計測の単位を決めよう
  4. 方法:どうやって計測するのか
  5. ベースライン:どこからはじめるのか(基準値)
  6. ターゲット:どこまでの改善を望むのか
  7. 結果:それらが与えるインパクトはどのようなものか

スライド資料はこちら。 speakerdeck.com

見積もりしないスクラム

毎回エッジの効いたセッションでタメになる陶山 育男さんの衝撃作。

「見積もりをしない」と聞くとなんじゃそりゃ?なりますが、見積もりそのものが無駄ということではなく、そのやり方を工夫しましょうという話。私自身、何でも工数を出すことに拘るやり方に辟易しているので、ものすごく共感できる内容でした。

なぜ見積もりをすることをやめたのか?の理由と背景がきちんと説明されていて、そしてそれは恐らくどこの現場でも普通に起きていること。そもそも作るものが明確になっていなかったり、Doneの定義がすり合っていない状況での見積もりは、非常にブレがおおきく、ココに時間を掛けて数値化する意味ってないよね?というお話です。

見積もりに対して、数値化を迫ることにより、コミット圧力の「ムリ」、仕事量の最大化の「ムダ」、正確であるという錯覚の「ムラ」の3M問題が発生してしまう問題があるが、そもそもスクラムガイドに出てくる「見積もり」に関して、「数値化しろ」と書かれてはおらず、ここでは、見積もりの負の側面を最小まで回避しつつ、C3Dで測定しつつ優先順序付けをして、見積もりの価値を高めようと言うやり方で進めていきます。そこの精度を上げていくために、モブプロを使うと良いよ、ということとその実践についても語られました。

スライド資料はこちら。 speakerdeck.com

モブプログラミングx行動分析学x教育

土肥 拓生さんの教育現場で学生がプログラミングの予習をしてこない件、モブプロをすれば、周りに対して恥ずかしいと思って予習してくるのでは?という仮説とその検証を行ってみた話。

行動分析学におけるABC分析の話はおもしろかった。先行事象(Antecedent)→行動(Behavior)→後続事象(ConSeqence)という流れで、人の行動に対して整理をして、状況を改善するための仮説を立て、後続事象における好子と嫌子にわけて、好子を増やして、嫌子を減らして行動を促してみてはどうか?と言う話。 注意点として、なんでもかんでも独りよがりに介入するのは良くないですよ、とのこと。

状況を改善するためにキッチリと人の行動を分析するとよいが、良かれと思って自分勝手に動きすぎるのも良くないっていう話は、日常の周囲の環境改善にも通ずる話だなぁと思いました。

スライド資料はこちら。

www.slideshare.net

リーン・チェンジ・マネジメント ー チーム・組織に変化を起こす!オリジナルのチェンジ・フレームワークを構築する方法

Stefan Nüsperlingさん / 鹿嶋 康由さん

個人的にManagement3.0の考えの延長にあると思っている、Lean Change Managementの考え方に関するワークショップ。 なにかを変革することに対してなぜ失敗することがあるのか。人は変化に抵抗するのではなく、変化させられることに抵抗するのであり、みんなで変化することが、Lean Changeにおいて大切な考え方である。その変化に関しても、状況をしっかりと洞察し、打ち手の選択肢を考え、小さく実験する、その繰り返しによって達成できるはず!という。その際に、Lean Change Canvasを作って、チームで議論していこうというワークショップでした。

M3.0に関しては、ちょうど一年ほど前にみっちりと2Dayのワークショップをうけて、いまの自分のマネジメントの考え方の源泉になっていたりするので、このセッションは外せないな、と思った次第。 以前別の機会に同じような体感型のLCMワークショップは受けていたものの、実際のグループワークのときにモヤモヤがと消化不良が残っていたので、その時の復習も兼ねて…のつもりでしたが、そこはRSGT参加者だけあって、非常にハイコンテキストな状況においても、一瞬で課題に対するミッションを把握し、グループワークで具体的なアクションプランを出すところまで持っていくことができるという、良い意味で裏切られたひとときでした。

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うちのテーブルで作成したリーンチェンジキャンバスの例

当日はサラっと流されましたが、チェンジエージェントが仲間を見つける動画は必見なので貼っておきますw

www.youtube.com

ネットワーキングパーティ

初日にネットワーキングの時間がしっかりと取られているのも、このイベントがいわゆる Conference ではなく Gathering である所以ではないかな、と。 ついつい狭い話に終始してしまって、もっと大局的に使えなかったのが心残りではあります。この時間をもっと有効に使えるようになることが来年の課題かなぁ…。

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オードブルもなかなか素敵な感じ。美味しかった!

ファシリテーターのための傾聴ワークショップ 行ってきた

なにしてきたの?

ガオリュウさんの主催する、ファシリテーター系ワークショップはとても楽しくて、自分に足りない視点や思考の幅が得られる気がするので、可能な限り参加したいと思ってたりします。その中で、今回は『ファシリテーターの「場への視点、場の声の聞き方」を学ぶ』ということで、「傾聴」をテーマとしたワークショップだったので、めっちゃ楽しみにしてました!

faciliview.connpass.com

毎回、ガオリュウさんのワークショップは、机や椅子のレイアウト、机の上にある備品などを工夫して、あらかじめ「場」が作られています。ちなみに今回の着席ネタは、好きな、食べたいパンがある席に座ってね、というもの。まんまと、「ランチパック ツナマヨ」に釣られてしまった…(;´Д`)

※現時点での自分は、思い通りに場を動かしたいマンなので、まだまだ偏った解釈などもあるかもしれないので、ツッコミ大歓迎ですw

やったこと

簡単な座学

ガオリュウさんのファシリテーション講座でおなじみの、ファシリテーターと場のお話し。 今回は傾聴に焦点を当てるので、この図で言うと、①見る、②フィードバック、③考える までが焦点。

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ガオ流ファシリテーターと場 の図解

ワークショップ

何かしらのテーマ対して、①話し手、②聴き手、③観察者、の三役に別れて話してみる。今回は3名x3グループで実施。話すテーマに関して今回は、Management3.0のメソッドの一つ、Moving Motivatorのカードを使って自分の大事にしている感覚などを話してみた。

3人で一巡した後、観察者役の人(=ファシリテーター役目線の人)は自分のグループを離れ、3グループを対象に会話をしている話し手と聞き手の2名に背を向け、話し手・聴き手の様子が見えない状態で、それぞれのグループが「何を話しているか」ということにフォーカスして観察した。続いて、観察者は各グループの周りを自由に動き周り、話し手・聴き手の様子やしゃべり方など「その場の様子」にフォーカスして観察した。前者の傾聴をコンテンツ中心、後者のそれをプロセス中心と区別し、観察者の立ち位置やその瞬間に重視すること・方法が二種類あり、場を観察しながら自身の思っていることをセルフモニタリングしながら、ファシリテーションに繋げることを体感した。

ふりかえり

毎回ワークショップが終わったあとに、学びほぐしの時間が取られており、急いで帰る必要がない人は、自分で今日の学びを振り返ったり、ガオリュウさんに質問したりする時間が取られている。それが一方的ではなく、しっかりと対話になっているのが非常に学びになる。自分が考えていること、そのコンテキストにおける理解をワークショップの開催意図とぶつけて話したり、など。

このワークショップについて

ファシリテーションの「場」そのものを理解していない場合、あるいは「傾聴」そのものがわからない場合、ワークショップの参加者が「?」ってなるよね?と言う話になった。

聴き手と観察者の違い

一般的な意味での傾聴は、話し手が言いたいことに対してじっくりと言える状態を作り、聴き手がじっくりと聞くと言うことを意味する。聴き手は、会話の内容やその背景を識ろうと思うという意識が強い。一方、観察者は俯瞰してその場、話し手の表情や仕草、聴き手の態度や相づちなどを見て、文字通りその場を観察している。

学んだこと

二種類の「考える」について

  • ③の考える:場をいろんな角度から観察し、どういう状況かを把握、理解する
  • ④の考える:その状況をどのように扱えばいいか、自分の知識や経験を元に導き出す

ある場を見る際、この両者の違いが理解できないと、もしくはどちらか一方だけになってしまうと、場を良くするためのファリシテーションにはならない。 たとえば、③の方を怠ると、例えばよく話す人、声が大きい人などに意識が向きがちで、本当にその場で捉えるべき状況を見逃してしまう可能性がある。一方、④が偏ってしまうと、数少ない自分の成功体験や、本で読んだ話などを鵜呑みにして、自分の思想に偏って場を操作してしまう恐れがある。

場を作る事について

ファシリテーターとしてあるべき姿は場を操作することではなく、場の参加者が自らの考えを出し合って場を動かし、先に進めていくことなので、状況をみて場が温まっていないのであれば気づきを与える助け船を出して温度を調節したり、話されているコンテンツの濃度が濃くなりすぎた場合は、違う視点での考えを投入して視野を広げてみたりすることが求められていると感じた。

ファシリテーションを行って場を作っていくことに対して、どんな価値観をもって接しているか、を自分でちゃんと理解しておくことが重要。その場をの議論をもっと活発にしてメンバーが動けるようにしたり、チームの価値観を構築したいのか、それとも(成熟したチームであれば)議論されているコンテンツをとことん深めて、問題解決に対して正しいゴールを見つけていきたいのか。

「傾聴」という言葉にも、二種類の見方がある

一般的に傾聴といえば、その字の如く、話し手の話すことに対して集中して聴くことを差す。 しかし、主に第三者として、俯瞰した当事者として考えた際、ファシリテーションのコンテキストでは、話題(コンテンツ)そのものを理解することに限らず、話しているときの話し手の気持ちや状態などをしっかりと観察する(プロセスを見る)ことも重要である。

(今回のワークショップの内容には直接関係ないものの…)自分が再認識したのは、聴覚過敏的な症状。3つのグループで話していることを同時に聞き分け、ワードを拾うようなことをしようにも、特定の声や話題、単語が気になって他が頭に入らない。これは今までも自覚していたことだが、やはりツラいな、と感じた。これはトレーニングで良くなるものなのだろうか…。

知らなかったこと

実際にアジャイルチームを対象にやられていると言う話を聞いた。これ、アジャイルサムライに載ってたんですって。昔は同僚に借りて読んでたので、改めてKindle版買い直してみよう…。

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

アジャイルサムライ−達人開発者への道−

どうでもいい話、2012年頃から携わっていた某プロジェクトが世間的に見てもボチボチ成功したのは、アジャイルサムライを読んで、インセプションデッキつくったり、なんちゃってアジャイルを実践できたから、と自負しているが、それはまた別の話…。

ではまた。

ノイズキャンセルヘッドフォンWH-1000XM3を導入してみたら、想像以上にいろいろ捗った話。

TL;DR

ざっくりまとめてみると、、、

  • たぶん自分は自閉症的な聴覚過敏を患ってるので、職場の騒音で生産性が落ちていると感じていた
  • 由々しき事態なのでノイズキャンセリングヘッドフォンを付ければ改善できるのでは?
  • いろいろ視聴した結果、SONYWH-1000XM3が音とノイキャン性能も音質藻良かった
  • 仕事めっちゃ捗るようになったよ! みんなにもオススメ!
  • あと、冬場は実は移動中も暖かいw

ってな感じです。マジ快適生活です\(^O^)/

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SONY WH-1000XM3

購入に至る経緯

業務とか技術系のアウトプットのことを書くぞ!って始めたブログなのに、いきなりガジェット紹介です。散財っていう意味ではアウトプットなのか?(違うよw
そういえば、冬ボーで何も買っていなかったなーってことで、ノイズキャンセリングヘッドフォンを買ってみました。

とはいえ、ただの贅沢ってわけではなく、これ、ちゃんと理由があったりはして。 ちゃんと診断を受けたわけではないけれど、たぶん、自分って、聴覚過敏的なADHDとかASDとかって称される、自閉症を患ってると思うんですよね。

このことはNHKの「発達障害って何だろう」でも取り上げられています。 聴覚が過敏「音」で極端に疲れる:困りごとのトリセツ(取扱説明書)|発達障害プロジェクト

前職は席のレイアウト的にも、職場環境的にも、仕事内容的にも、あまりガヤガヤが気にならない職場だったんですが、今の職場は意外と周りの騒音が気になったり、人が動き回るのが気になったり。スタンディングのミーティングスペースとかも、自分が使う時は便利で素敵なんですが、議論が白熱しているような会を近くでやられると気になってしまったり。

仕事中、隣の人が話している内容が気になって仕方ないとか、なんか常に自分が呼ばれているんじゃないか?って気がして、マジメな仕事ほど手につかないというか…。 メール処理とか、簡単な資料作成とか、能力をフルに活かすようなものでなければ何とかこなせるんですが、ガッツリとコードを読んだりする時に気が散ったり、書いてる途中に気が散ってしまったりとかで困っていたのです。

イヤホンで音楽聴いたりもしているんですが、ボリュームが大きくなりがちで疲れたり、耳の奥まで突っ込むいわゆるカナル型だったとしてもスキマでいろんな騒音は入ってくるわけで。 これ、本格的に対処しないと、仕事全然すすまないぞ?と危機感を感じ、ノイズキャンセリング(NC)ヘッドフォンを購入することを思い立ったのでした。

試聴しに行ってみた!

まずは年の瀬。年末商戦で賑わう電器屋で、試聴していろいろ比べるぞ!ってことで、行ってみました。 前提としてオーバーイヤー型だと、暑苦しくてイヤだなあとか思ったので、まずは、インイヤー型で検討してみることに。

第一候補 SONY WF-1000X

ソニーの完全分離型のWF-1000Xはとてもスタイリッシュ。言われなきゃNC機能があるようにも見えないぐらい。流行の完全ワイヤレスっていうので普段使いにも適していそうだし、お値段も(他に比べれば)割と安い部類。

ソニーの専用アプリを使うと、NCの効き方も調整できたり、イコライザー機能があったりするし、なにより音がいい。これは快適だぞ!って思ったんですが、肝心のNC機能がそこまででもない。 職場のような場所ならともかく、騒音に溢れる電器屋だと、普段使ってるイヤホンと大して遮音性は変わらないんじゃないか?とか。音楽のボリュームを上げることで遮音するなら、今のでもいいんじゃない?って感じ。

第二候補 SONY WI-1000X

WF-1000Xの最大の弱点は、左右独立。左耳がプライマリになっていて、右側はスレーブ。たまーに左右片側が聞こえなくなるようなシチュエーションもあり、ちょっと辛いな、と。 そこで、同じシリーズでネックバンドあり、左右連結のWI-1000Xを試してみることに。

XFに比べて、NCのシステムが上位のものが就いているのか、NCの調整やサラウンドの調整などいろいろ設定が出来るみたい。ネックバンドも、コレを付けたままランニングでもしない限りは気にならないし、通勤時などではまったく問題なさそう。でも、やっぱりカナル型なので、NC性能はまだ弱いなぁ…と。

第三候補 Bose QuietControl 30 wireless headphones

NC性能が弱いのってひょっとしてソニーだから? NCといえば、昔からBOSEが有名なんじゃね?って事で試してみました。形状としては、WI-1000Xに似てる。さすがのBOSEってことで音も良いし、イヤーハンガーの形状も優れてて使い心地は良さそう。

NCの聞き具合も専用のアプリを使えば調整できたりするし、ひょっとしたら、WI-1000XよりもNC性能が高いかも?と思ったんですが、カナル型イヤホンの時は、イヤーピースをコンプライに変えたい症候群の人間なので、折角のBOSEの StayHearイヤーチップが裏目に出て、選択肢から除外…。 あと、WI-1000Xもだけど、やっぱりネックバンドだと服装とかに影響したりで使いにくそう。

インイヤータイプの結論

結局、どれも一長一短だし、後者2つは3万円超え…。失敗は許されない金額、と考えたら、いまのイヤホンでボリューム大きくすれば耐えられるんじゃ?っていう結論でいったん諦め。年末年始は仕事ないし、ゆっくり休んだらもう少し気楽になるかな…という期待を胸にw

やっぱりNCヘッドフォンがあったほうがいいよね…

明けて新年。仕事始めから数日も経つと、やっぱり気になるんです。周りのノイズ。なにもみんな遊んでるわけではないから、静かにしてとも言えないし、そもそも他の人達は問題無く仕事できてるんだから、やっぱり自分でなんとかするしかない。そう思って、もう一度電器屋にいって、今度はオーバーイヤー型を試してみようかと。

本命 Bose QuietComfort 35 wireless headphones II

インイヤータイプの出来からして、やっぱりBOSEのほうがNCのシステム優れているんだろうなぁ…ということでまずはQC35II。 なんとこのモデル、Amazon Alexaがビルトインされているんだそうで。…って、つかわないけどw

オーバーイヤーなら、(俺的)BOSEのインイヤーの弱点wでもあったイヤーチップ問題も関係ないし、そこはさすがのBOSE。掛け心地も作りも、NC性能も、もちろん音質も申し分ナシ。 これは、キミに決めた!って感じなのかな?っておもったんですが、BOSEのコントロールアプリ「BOSE Connect」がマジでイケてない…。謎の音楽シェア機能(同じ音源を別のヘッドフォンに飛ばす?)みたいなのはいらないから、もう少しNC機能の調整とか、まともなイコライザ機能とか載せてよ…。ってことで、もう少し悩むことに。

真打ち SONY WH-1000XM3

オーバーイヤーだったら、SONYのもあるじゃん…。ってことで、WH-1000XM3を試してみる。型番の末尾の「3」が物語っていますが、同シリーズの3世代目。去年の秋に出たばかりの新製品で、XM2より大幅にNC性能が上がってるとのことでしたが…。

耳に付けてみると、音楽を掛けるまえから驚愕…。すでにNCがバリバリ効いています。電器店のあの中毒性のあるテーマソングがささやき程になるぐらいに静寂。これはスゴイ。そして音楽再生をしてみると、これまた音がいい。まさかのQC35II超え(個人的音の趣味的に)。極小ボリュームで音楽を流しても十分のノイズが消えていて、これは快適です。 前に入れっぱなしになっていた、SONYのヘッドフォンアプリ(後述)を見てみると、イコライザや低音調整はもちろん、バーチャルサラウンド機能まで結構弄れる。これは素晴らしい!! ということで、今度こそ決定。購入することに。

で、実際ノイズキャンセル性能はどうなの??

自宅で使ってみて…

購入後、家で使ってみて、もともと静かだからそんなに意味ないよねー?って思ってたら、夜中の寝室でも、換気扇の音とか、エアコンの動作音とか、意外にノイズを出してて、目の前のMacBookでさえも結構打鍵音がデカかったんだなぁってことに気がついて衝撃。 あと、非常に小さいボリュームで音楽聴いても周囲のノイズに負けずに聞けたりするので、静かめのジャズの曲とか聞いてもその場に溶け込む感パンパないです。これは予想外。もちろんそんな状態だから、耳も疲れずにとても幸せになることを実感しました。 深夜の寝室でもそういうふうに感じるぐらいだから、こりゃ相当なもんだな、と。

職場で使ってみて…

本当の目的であった職場での利用。
朝イチヘッドフォンを耳に掛けた瞬間、今までの苦労はなんだったんだ?というほどの別世界がそこに。
作られた静寂であることは判っているのに、自分の求めている世界がそこにあると言う感覚。かといって、閉塞感は感じられず、自分の思考を妨げるものはなにも無い世界が現れたのでした。

本機の凄いところは、右耳を覆う部分にタッチセンサーがついていて、ダブルタップで再生/停止、上下スライドでボリューム調整、左右スライドで送りなどが出来ます。これはBOSEのQC35のように物理ボタンを介してコントロールするのに比べて格段にシンプル、かつボタンを探すと言う行為もないし、とても直感的。
そして、手のひらで右耳を覆うと、音楽を再生しつつ、外の音を取り込むモードになる機能があること。外の音を拾った瞬間に、こんな騒音の中に居たんだ!と衝撃を受けたりもします。あと、職場で上司が大きな声を出してなにか面倒なことを言ってそうだな…と思って、ヘッドフォン掛けてて聞こえないフリをしながらもバッチリ会話が聞けるという…。これはなにげに便利ですねw

繰り返しになりますが、やっぱりNC性能の高さがもう病みつきで、今となってはコレなしに集中して作業できなくなってしまったほど。真横で同僚たちが雑談していてもまったく気にならず作業に集中できるし、ちょっと寂しくなったら右耳を覆えばコッソリ話の流れを掴みつつ、会話に混じることが出来るという、ワガママさんにも安心な設計ですw

充実の設定画面

イマドキだなぁ、って思ったのが、スマホのアプリでいろいろと弄れるところ。SONY Headphones Connect を使うと、いろんな設定が弄れちゃうので、とても楽しい。実際は一度設定したらほとんど不要になるんだけど、カスタマイズ要素の充実さって、こう言うガジェットには結構必須機能だと思う。

基本設定

バッテリー残量はiPhoneのバッテリーパネルでも見られるけど、接続方式などもココで確認できるから安心。

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余談だけど、お店で試聴してたデモ機、ペアリングしたら、なぜか接続コーデックモードがSBC(接続優先モード)に固定化されてて変更できず、音質がちょっとザラっとしてるような印象を受けたんですが、さすがにAAC対応って謳ってて、製品がちゃんと対応してないワケないよね、ということでドキドキしながら購入したのは秘密ですw

ノイズキャンセリング設定

ノイズキャンセリングの最適化機能が良く出来てて、いわゆるキャリブレーションを行えます。
眼鏡の付け外しとかでNCの設定が変化するぐらい敏感なんですね…。

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とはいえ、実際どこまで変わるのか判らないけど、この画面だけでなく、本体側のボタンでも対応出来るから、うるさめのファミレスとかでも言ったときに試してみるとよいかも。

サラウンドとイコライザー設定

普段から、イコライザーやサラウンド機能の類はほとんど使わずに、敢えて素の設定を使うことが多いんですが、本機にプリセットされているプロファイルは結構いい感じ。

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マニュアルでも結構こまかく設定出来るのと、イコライザーは弄らないけど、低音の出方だけ、CLEAR BASS設定で変更することができて素敵です。

サラウンドモード: Off / Arena / Club / Outdoor Stage / Concert Hall の5種類
イコライザモード: Off / Bright / Excited / Mellow / Relaxed / Vocal / Treble Boost / Bass Boost / Speech / Manual / Custom 1, 2 の 9 + 3 種類(?)

音質設定、外音コントロールと自動電源オフ

DSEE HX とは、MP3などの失われた音を高精細化して補間し、いわゆるハイレゾ音源にアップスキャンする機能。自動的に有効になっているからか?違いがあるような、ないようなですが、一度オフにしたあと明示的にOnにする方法がわからないのが謎…。Autoって言われましてもw

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外音コントロールボタンを押すと、NC機能オン>周囲環境音取り込みモード>NC機能オフ、とトグルするんですが、この機能を殺してGoogleAssistantの呼出ボタンに切り替えられるそうです。(試したこと無いけどw)「おっけーぐーぐる!」が出来るってことでしょうね。

自動電源オフは、接続切れなどを起こした後、自動的に電源を切ってくれる機能です。先述の通り音楽を再生しなくてもNC機能だけ使いたいっていう用途に使う際は、Bluetooth接続をせずに本機の電源をOnにしてNCモードにしておくだけで静寂を手に入れることができます。そういうときは、時間経過でオフにしない、に設定しておけば大丈夫です。元々バッテリーも30時間ほど持つそうなので、日常的に充電出来る環境にあればそれで良いかもしれませんね。

まとめ

長々と書いてしまいましたが、最初は単なる興味本位でノイズキャンセリングヘッドフォンというジャンルを掘ってみて、いざ購入して使ってみたら、なんでもっと早く買わなかったんだ…と思わず自分を責めてしまうぐらい、効果があるガジェットだと思います。
自分も含め、聴覚過敏で困っていて、なんか仕事や作業に集中できないんだけど…っていって音楽の壁を作って逃げてきた人には、こんな合法チートアイテムはないんじゃないかと思います。
4万円という高価な買い物ですが、自己投資という意味で考えてこの金額が高いか安いか、は半年後ぐらいの自分のパフォーマンスの変化に掛かっていますねw

思わぬ誤算として、駅とかまでの徒歩の時にはさすがに使わないよね、と思っていたら、この時期イヤーマフ代わりに使えて暖かいことが判明www

というわけで、WH-100XM3 全力でオススメします!

「エンジニアの登壇を応援する忘年LT大会」に行ってきた話

年の瀬迫る12月27日。明日を有休にして個人的仕事納めにして、冬休み前に、エモいイベントに行って、今年を締めくくろうじゃないですか。 ということで、エンジニアの登壇を応援する忘年LT大会のイベントに行ってきたお話です。

techplay.jp

俺、最近、なんだか意識高まってきてない?

もはや正確なきっかけは思い出せないけど、最近ちょっとエンジニア意識が高まってきている気がしていて、たぶん職場での役割の変化、もっといえば、去年転職するまえぐらいからユルユルと上昇傾向にあったのかもしれない。普段の自分を客観的にみて、確実にこのままじゃダメだな、と危機感を感じて、勉強会やら、カンファレンスやら、色々と知識をインプットしまくってたのが去年から今年の夏ごろにかけてのことです。

でも、そこで気がつくんですよ。インプット過多になって消化不良起こしてない?ぜんぜんアウトプットに繋げられてないんじゃない?と。 その時、たまたま、ゆのんさんのブログから繋がった、セイチョウ・ジャーニーを購入して、すごく感化されて、行動を起こさなきゃなって思い立ったり、アウトプットをし続けることの大事さを再認識したりして。 今すぐ大きななにかが出来るわけではないけど、少しずつ進めていきたい。もっと行動したり、アウトプットしたいな、という気持ちになってきました。

「エンジニアの登壇を応援する忘年LT大会」覗きにいってみよう!

イチョウ・ジャーニーの教えに基づいて、Twitterで気になるアカウントをチラホラフォローして眺めてたら、エンジニアの登壇を応援する忘年LT大会なるイベントがあるそうじゃないですか!これは面白そう。早速参加してみることにしようと。

さんざんアウトプット大事だよね、とか書いておきつつ、登壇枠ではなく、初回だしリスナー側でいいよね。ただ、抽選枠じゃなくて、絶対行く枠で申し込んで、行く気は満々!…になってたはずなのに、ちょっとビビったり、申し込みを後悔したりな自分がいました。 どうせ、参加してるの、意識の高そうな若手エンジニアばっかりなんでしょ?おっさんとか場違いなんじゃ…?!って思ってました。

でも、会場についてみると、そんな不安は取り越し苦労だった事に気がつき良い意味でおもいきり裏切られました。 そこには、学生からさんから、自分よりもずっと年上のベテランさん、エンジニア女子までも。なんてステキな空間なんでしょ。そしてみなさんフレンドリーでステキでした。

どんな話があったの?

まずはKANEさんの冒頭説明での、このコミュニティが掲げるワードが最高にエモい。

Interest(興味) > Learn(学習) > Output(共有)

このループをうまく繋げていきたいものですね。

たぶん、内容はTogetterとかでまとめられると思うので、ここではざっくりとお品書きと、スライド資料のリンク、LTを聞いたときのメモ書きを残してみます。

社内勉強会を一年間企画・主催してみて by 首無しキリンさん

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首無しキリンさんが、社内勉強会を企画、運用するようになったら、社内で "DOERAI"事になった話。 勉強会活動のおかげで、社内で自分のことが認知されるようになったり、会議とかでも存在観と説得力がついたり、ちゃんと評価されて昇進した話とか。

こういった自発的に動き始めた取り組みが盛り上がってきて、楽しそうになると、興味を持つ人が出てくる。彼らを取り込んで活性化していく。 与えられた事だけをこなして給与をもらいたい人達がいる。ほとんどの人は「引っ張ってもらう」を好む。ならばそういう人達を引っ張って「与える」ができないか。 そういう人達を巻き込んで、より楽しそうな集団になっていく。人数が増えて、事務局の設立をするまでに拡大した。

「良い事」をしているのだから、もっとみんなに知ってもらって評価してもらいたい。 明確なビジョンを掲げることで、周りも安心して動ける状態を作る。 主体的に動いた結果、「自分自身が成長出来た」「評価をもらう機会を得た」。何事も一歩踏み出すのが大事ですよ、と。

言葉の力 by FORTEさん

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FORTEさん、2017年に比べ、2018年は圧倒的にアウトプットが増えました!(だって、2017年は何もしてなかったから!) とはいえ、今年は(しかも夏以降で!)何度も登壇し、ブログもたくさん書き、Podcast始めたり、技術書の寄稿までするようになったと。

アウトプットは始めるのも、続けるのもツラいもの。 始められない理由はたくさん。恥ずかしい、経験や技術などがないから、とか。 継続できない理由もたくさん。反応や実感がなかったり、別のことをやったり、とか。

でも、FORTEさんが変われたのは「ふたつの言葉」の力があったから。

  • なぜ変われないのか?それはあなたが、変わらないことを望んでいるから。〜「嫌われる勇気」より
    • 自分を変える努力をして、変われない自分を変える
  • それで、あなたは、何をする人なんですか? 〜 「カイゼン・ジャーニー」より
    • 自分が何をする人なのか?=何をやりたいのか?を原動力を考え直してみよう

それでもツラい時は、仲間を通じてエネルギーを分かちあえばやっていける!

やっちまった!2018 by あわなさん

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あわなさんの、2018年にやっちまったこと紹介。 やっちまったにはネガティブもポジティブもある。さらに規模の大小も。 縦軸にやっちまった規模の大小、横軸にポジティブ/ネガティブとして、4象限で表してみる。

大規模のなモノは自分の力だけではどうにもならないことがある

  • 大規模・ネガティブ:減らしたいけど自分じゃどうしようもできない事など
    • 炎上案件の火消しをやって精神的に病んでしまった
  • 大規模・ポジティブ:頻繁には起きないが、有ったらよいもの
    • 転職して仕事が楽しい!海外研修にいけたりもした

だけど、小規模なものは、ネガポジ両方、自分でやれば変えられる!

  • 小規模・ネガティブ:即刻やめたいもの
    • 締切駆動と短期間詰め込みすぎはやめたい
  • 小規模・ポジティブ:これからも続けていきたいもの
    • アウトプットは続けていきたい! そこで、 #everyoneoutputer

今始まるStory by hekitterさん

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hekitterさんのYWT(やったこと/わかったこと/つぎにやること)で振り返ろう。

  • やったこと
    • Twitterやblog、Qiitaを始めたり、勉強会に参加し始めたり。
    • Podcastに呼ばれたり、合同誌を書いたり仲間が出来たり。
    • しかも、これ、今年の10月からの出来事だそうで。
  • わかったこと
    • アウトプット宇挑戦することと、たのしい!応援される。
    • こんなの絶対無理…と思えることに対しても、「やればできる」「ダメでもやってみたい!」の精神で。
  • 次にやること
    • 自分の行動で素敵な世界を作る
      • 「いいもの」を仕組化し・共有してみんなで幸せになる。力、人、場
    • なりたい自分になる
      • 思考に限界を設けず、物事をやり遂げ、みんなに活力を与えられる人になる。越境者、体現者

今はまだ全然足りないかも知れないけど、2019年は #hekitterにつづけ と言われるぐらいどんどんやっていきたい。 この勢いで、2019年のデブサミLT枠で登壇してしまうんだと…。スゴイなぁ。

変化を生み出すのはいつだって大胆な選択だ by もっとさん

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もっとさん。今年はここ数年で一番変化の大きな年。 去年はblogを4件書いただけだったが、今年は執筆67件、LT/登壇14回、技術書典2冊と大幅にアップ。 何で変われたか?普段の自分が選ばないような「大胆な選択」をすることで変化が生まれた。

  • 自分の広めたい技術との出会い
    • Gatsbyいいよね!から、OSSへの貢献や、技術書典で扱うテーマになった
  • ブログメンターとの出会いから、今年のアウトプットを支えるブログの基礎が出来た
    • カックさん。ブログメンター/メンティって言葉、初めて聞いた…w
  • 技術書典への申込み
    • 本を書くことで理解が深まったり、知り合いが増えた
      • GatsbyJSで作るモダンウェブサイト
        • React.jsで書ける爆速サイトジェネレーター
      • netlifyで始めるサーバレス開発
        • LINE BotとSlack APPを作りながら学ぶ
  • カンファレンスへの登壇
    • 初めてカンファレンスへ登壇した

大胆な選択はいつも周りの人に支えられたものだった。 いつも同じ選択をしていた自分が、他人と積極的に関わることで変わることが出来る そんな、もっとさんの2019年の目標は、今年はじめたアウトプットの精度を上げていくこと。

技術者のアウトプットとしての技術同人誌 by おやかたさん

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おやかたさんの、技術同人誌を出す話。 外に向けてのアウトプットとして、技術同人誌執筆がオススメの理由

  • 自分の持つ技術の棚卸し・整理ができる!
  • アウトプットの規模がちょうどいい!
  • 執筆、本の制作、告知、販売、マーケティング、すべてを自分で体験できる!
  • 商業化もワンチャンあり

技術同人誌を書くには、その道のプロしか出来ないのでは?とか、ニーズやネタなどないのでは?とか不安な点はあるが、おやかたさんがお膳立てしてくれて、まずは合同誌からはじめてみませんか?という話。それこそとっかかりとなるマニュアルとして技術同人誌を書こう アウトプットのススメがあります。技術書典で出した本がKindle化してAmazonで売ってるなんて。

おやかたさんの夢、執筆者を10倍に増やしたい。ざっくり日本のIT技術者の1000人に1人しか本を書いていない。これを100人に1人にしたい。

⑦事業を縮小しました。新しくはじめました。 by nagitterさん

nagitterさん。graspy をつくった人。 40歳。エンジニア定年と言われた35歳から5年経ってる。6年以上フリーランスの経験がある。

2018年は、HR Tech特集というトーマツさんのイベントで300人の前でLT。緊張しすぎて、声震える、指も震える、頭真っ白、記憶なくって心をバキバキに折られた。 マッチングサイトのパッケージを立ち上げた内容だったが、今年の8月に自分が作った事業を縮小するというところでさらに心を折られた。 事業縮小させた技術サービスを8月から作り直した。10月にオープンして、7000人ぐらいに使って貰えてるサービスになった。 アウトプットとしては社外イベント2回、社内で5回、技術ブログとか。5年前にむくりってつぶやいたTwitterを復活させたりもした。 今やっていることが楽しいと思うことが社内からアウトプットしてもらうことが重要。 得意なことをやる、楽しくしていくという観点からアウトプットを続けていく。

インターネット恩送り by よしたくさん

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まずクイズ。108ってなんの数字? 季節柄、煩悩の数?とおもいきや、よしたくさんの2018年の執筆記事数でした。 週一でブログを更新したり、12月には1人アドベントカレンダーを実施したり。

2018年はブログを頑張りました。なんで頑張れたか?新卒未経験でIT業界に入って、知らないことばかりで調べ物をする毎日。そこから年数を重ねて出来る事が増え、自分もなにか貢献したい気持ちになってきた。 なににどうやって貢献しよう?と悩んだ結果、週一回「感謝のブログ更新」をすることに。 前に書いた人から、次に助かる人へとインターネット恩送り。 それをやったことで実感したことは、社内での認知度の向上、社外から記事の依頼、はてブロの読者数が増えた。

write-blog-every-weekコミュニティを作った。ルールは週一で記事をあげて、あげられなかったら翌週2つ、3つ溜まったら強制退会。 他に、2月に「自由研究LT恩送り」という技術系以外で面白い話をするイベントを開催する予定とのこと。

今からやぞ! by kaztoさん

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今年、Twitter転職で、組み込み系エンジニアからWeb系ベンチャーへ。 20代は組み込み系の中小企業に入ったが、無駄にプライドが高く、なんとなく日々をすごす。 30代は遊び惚けて、カラオケ三昧、嫁の確保が最優先。成果はあった。 40代は気がつけば会社で年長になってきたが、特に昇進もせず、やばいと。 軽い気持ちでTwitter転職をやったら内定をもらったので、新たなチャレンジへ。

「執筆の技術を勉強する会」なる勉強会を発見。セイチョウ・ジャーニーの人も登壇するみたいだし、行ってみるか!ということで、 エンジニアの登壇を応援する会に参加して、初LTをやったりアドベントカレンダー4本書いたり。来年は技術ネタでLTをやったり、Rubyへ本格的に貢献したり、技術書典のサークル参加をしたり。

#engieers_ltには、つよいひとがいっぱいいて、つよいひとが気軽に絡んでくる。頑張ってるひとがスゴイいっぱい、応援する空気がすごい。「恩送り」の精神 まだ行動できていないな、と感じる方、目の前のヒゲおやじは40過ぎてから動き出した。定年退職するまで、少しでも充実した時間にしたいじゃないか。 「今からやぞ!」と。

イベントで面白いな、って思った試み

Kahoot! っていうリアルタイム集計サービス。イベントとかで4択集計とかする時にとっても便利そう。 ちなみに、LT大会のリスナー点数投票につかったり、選択肢が意表を突いた会場アンケートだったり、懇親会の早押しクイズに使ったりと、大活躍してそれでメッチャ盛り上がってたw 早押しクイズのスコアリングが絶妙にいい感じだったんだが、あれは参加数とかを加味してくれたデフォルトのロジックなんだろうか…? hekitterさんが全問正解で、文字通りの一桁違う点数叩き出してたのはウケましたw

雑に総括すると…。

いままで、社内外で見てきたLTイベントの中でも、一番気合が入っていて、話す方も、聞く方もほんとあたたかい。一体感がある。こんな経験は初めてでした。 今回は忘年LTってことで内容的にエモい話が多いのかもしれないけど、会場からの合いの手や拍手などのリアクションがとても心地よい。話すほうも自信がつく。聞いてるほうも自分も話してくなってくる。なんてポジティブループなんだろう!

今回、自分的に特に刺さったのは、FORTEさんの「2つの言葉」。直前で「カイゼン・ジャーニー」、「セイチョウ・ジャーニー」を読んだからというものもあって、自分って何をする人なんだろうというのはキッチリと整理しようと思っていたところだったから。 そしてkaztoさんの「今からやぞ」。kaztoさんは同年代ということもあり、自分が動けていないのをどこか歳や役割のせいにしたり、業務に追われてるから、とかでどこか諦めてた。でもそれをなんとかしたいと思ったから今回のイベントに来てみたり、いろいろ勉強しようとおもったりしたんでした。

アウトプットしていかなきゃ、と思っている仲間がこんなにいるのに、立ち止まっているわけにはいかないよね、ということで。 来年はどこかでLTが出来るぐらいになってみよう、と思って、まずはengineers_ltSlackにjoinしてみたり、イベントのまとめを書いたのでした。

いやー、すごい楽しかった! 登壇者の皆さん、スタッフの皆さん、参加された方々、懇親会でお話しさせていただいた方々、ありがとうございました!またお会いしたいです!